VWに販売価格の全額返還判決、排ガス不正で

違法な排ガス操作装置を搭載したフォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車を購入した顧客が購入価格の全額返還を求めて起こしている係争で、一審のアウグスブルク地方裁判所は22日、原告の訴えを全面的に認める判決を下した。排ガス不正車を購入した顧客への全額返金を命じる判決はドイツで初めて。排ガス不正車の購入者は極めて多いことから、VWには巨額の法務費が新たに発生する恐れがあり、株価は翌日、下落した。

裁判はVW「ゴルフTDI」の購入者が起こしたもの。裁判官は、VWは排ガス値を不正に操作することで顧客を欺き売り上げと利益を稼ごうとしたと批判し、販売価格に金利を含めた2万9,907.66ユーロの返還を命じた。

排ガス不正車を販売したVWに対し代金の返還を命じる判決はこれまでもあった。だが、これらの判決では販売価格から走行に伴う価値の減少分を差し引いて返金するよう命令しており、販売価格の全額返還命令はなかった。

VWは控訴するとみられる。

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