欧州主要国は4日、南米ベネズエラの野党指導者フアン・グアイド国会議長を暫定大統領として承認すると相次いで発表した。ベネズエラをめぐっては、米トランプ政権がグアイド氏を支持しており、カナダや中南米の周辺国も同調している。一方、ロシアや中国はこうした動きを内政干渉と批判し、マドゥロ政権を支持している。
マドゥロ大統領の正統性を認めず、グアイド氏を暫定大統領として承認したのはEU加盟国を中心とするおよそ20カ国。英国、フランス、ドイツ、スペインなど7カ国は1月26日、強権的な手法で再選を果たしたマドゥロ大統領に対し、8日以内に再選挙の実施を表明しなければグアイド氏を暫定大統領として承認すると表明していたが、マドゥロ氏が要求を拒否し、期限切れとなった。
EUは当初、欧州議会が1月31日にグアイド氏を暫定大統領として承認する決議案を賛成多数で可決したことを受け、EUとして同氏を承認する方針だった。しかし、外交政策で親ロシア路線をとるイタリアの連立政権がこれに反対したため、加盟国に判断を委ねた。
こうしたなか、ウルグアイの首都モンテビデオで7日、欧州と中南米諸国による連絡調整グループの初会合が開かれた。EUおよび英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどのEU加盟国と、ボリビアやコスタリカなどの中南米諸国、主催国のメキシコとウルグアイの計14カ国・機関が参加。公正な大統領選挙の早期実施を求める共同宣言を採択した。グループはマドゥロ政権が受け入れを拒否している人道支援を行うため、ベネズエラに代表団を派遣し、支援物資が国民に届くよう各方面に働きかけることなどを確認した。