合意なき離脱なら輸入品87%を無関税に=英政府

英政府は13日、欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」を迎えた場合に備え、離脱後の関税措置を発表した。激変緩和を図るため、金額ベースで87%の輸入品を無関税とする。EU域外からの輸入品にも幅広くゼロ関税が適用されるため、無関税となる輸入品の比率は現在の80%から高まることになる。

政府の計画によると、一時的な関税措置の適用期間は離脱から最長1年間。ゼロ関税の対象には自動車部品も含まれ、英国に拠点を置く自動車メーカーは当面、大陸欧州などから無関税で部品を調達できる。ただ、EU側への輸出には関税がかかる見通しで、通関手続きに伴う物流網への影響も懸念される。

一方、国内産業を保護するため、肉類や乳製品などについては輸入関税を維持する。自動車産業も保護の対象となり、輸入乗用車には10%の関税を課す。

政府はさらに、合意なき離脱となった場合のアイルランドの国境管理についても暫定措置を発表した。一時的な措置として、アイルランドから北アイルランドへの輸入品については全て無関税とし、国境に検問所も設けない。

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