充電インフラに補助金10億ユーロ、交通省が予算要求へ

ドイツ連邦交通省は充電インフラの拡充に向けて2020年度予算で総額10億ユーロの上乗せを要求する方針だ。充電スタンドの不足が電動車の普及の大きな足かせとなっているためだ。電動車の利用が大幅に広がらないと同国の二酸化炭素(CO2)排出削減目標を達成できないことから、予算の拡大を求めていく。アンドレアス・ショイアー交通相が日曜版『ビルト』紙で明らかにした。

ドイツは国内のCO2排出量を2030年までに1990年比で少なくとも55%削減する目標を掲げている。ただ、現状ではこれを実現するのが難しいことから、踏み込んだ措置の実施が必要となっている。特に交通はCO2排出量が唯一、増加している部門であり、最低でも40%削減するとの部門目標を達成するためには電動車を大幅に増やす必要がある。

政府は16年、充電スタンド網を拡充するために国が総額3億ユーロの補助金を支給する方針を決定した。普通充電スタンドを1万カ所、急速充電スタンドを5,000カ所、合わせて1万5,000カ所を新設させるという数値目標を盛り込んだ。18年末までの補助金承認件数は普通充電スタンドで1万3,600カ所、急速充電スタンドで2,300カ所に上り、助成総額は7,720万ユーロとなっている。

交通省はこれに上乗せする形で10億ユーロの補助金を20年度予算で要求する。充電設備の購入・設置費用を最大50%、助成する意向だ。支援額は普通充電設備で最大3,000ユーロ、急速充電設備で同3万ユーロを考えている。

充電スタンドの助成拡大にはオーラフ・ショルツ財務相も前向きな姿勢を示しており、交通省の要求は実現する可能性が高い。ショルツ財務相は先ごろ『フランクフルター・アルゲマイネ』紙のインタビューで、自宅、職場、スーパーマーケットで充電できる環境を整える必要があると明言。総額10億ユーロの補助金を即時に提供する意向を明らかにした。費用の半額を助成することを念頭に置いている。

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