ZF―中国で生産・開発能力拡張へ―

自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは9日、中国で生産・開発能力を拡張すると発表した。同国の自動車市場は現在、低迷しているものの、ほとんどすべての顧客企業が現地事業を拡大する方針のため、同社もプレゼンスを強化。中国顧客向けの製品を今後数年ですべて現地生産できる体制を構築する。

その一環として8速オートマチックトランスミッション「8HP」の生産を上海工場で開始した。プラグインハイブリッド向けの8HPも手がける。電動パワートレインの現地生産も近く、始める意向だ。

商用車分野では現地商用車大手の北汽福田汽車と共同で立ち上げた合弁会社がフルオートマチック・トランスミッション・システム「トラクソン」の生産を数週間以内に開始する。

車両の電動・IoT化を背景に中国では今後、電気自動車(EV)や自動運転車のニーズが高まることから、同社はそうした車両を利用する移動サービス事業者向けの業務も強化する意向だ。

ZFは研究開発拠点を上海圏に2カ所、持っている。現地ニーズに見合った製品開発を強化するために、技術者1,000人を新規採用する。

同社は1994年に初めて中国工場を開設した。現在は計32カ所の生産拠点を持つ。現地従業員数は約1万5,000人で、同国売上高は昨年、60億ユーロを超えた。

上部へスクロール