独不動産開発大手、ハンガリー大規模農場プロジェクトに10億ユーロ

独不動産開発大手ファクト(FAKT)がハンガリーで、労働・居住・生活を密着させた統合的な農場プロジェクトを立ち上げた。投資額は10億ユーロで、近年のハンガリーの農業プロジェクトとしては最大の投資規模となる。約5,000人の雇用を創出する。ハンガリーのナジー農業相が19日明らかにした。

ハンガリー農場プロジェクトは、◇近代的な農業生産、並びに付加価値を創出する加工ソリューションと物流の統合◇働きやすさと暮らしやすさを重視した持続可能な土地利用――をコンセプトとする。ファクトは欧州で画期的なプロジェクトと位置付けている。立地としてはオーストリアとスロバキアの両国境に近く、物流の利便性が高いヘジェシュハロム近郊を選んだ。

用地は330万平方メートル。温室(30万平方メートル)でパプリカ、トマトなどを、屋外菜園(50万平方メートル)でアスパラガスとイチゴなどのベリー類を栽培する。加工処理・冷温保存施設(15平方メートル)および物流施設(50万平方メートル)のほか、魚養殖場、会議室、ホテル、レストランも設ける。近隣の高速道路網への連絡道や集合住宅、学校、ショッピングセンターも建設する計画だ。

ナジー農相によると、ハンガリーの昨年の農産物輸入高は生鮮野菜が755億フォリント(2億4,020万ユーロ)、果物が838億フォリント(2億6,660万ユーロ)に上った。ファクトの進出により、トマトやキュウリなどこれまで輸入に大きく依存していた野菜の生産が拡大し、輸出の可能性を含めて農業の成長に期待が持たれる。(1HUF=0.40JPY)

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