ロシア2位のガス会社ノバテクは25日、北極圏ギダン半島で進める液化天然ガス(LNG)生産事業「アークティックLNG2」の権益20%を中国企業2社に売却すると発表した。LNGの輸出拡大を目指すロシア政府の方針に沿ったもので、需要の大きい中国市場への販売チャネルを確保する。取引額は明らかにされていない。
権益は中国石油天然気集団(CNPC)子会社の中国石油天然ガス勘探開発(CNODC)と、中国海洋石油(CNOOC)が10%ずつ取得する。同日に北京で開催された「一帯一路」国際会議で合意文書が交わされた。
ノバテクは北極圏ヤマル半島でもLNG生産を進めており、CNPCとトタルがそれぞれ20%、中国政府系ファンドのシルクロード基金が9.9%の権益を持つ。ノバテクは今回の取引について、中国との連携をさらに強めるステップになるとしている。
アークティックLNG2をめぐっては3月、仏トタルが権益10%を約200億米ドルで取得することで合意している。ロイター通信によると、昨年12月には三井物産、サウジアラムコ、ロシア直接投資基金(RDIF)がノバテクと同事業への出資について協議を行った。
アークティックLNG2は日量53万5,000石油換算バレルの生産が見込まれている。2023年を皮切りに、3つの液化トレイン(年産能力・各660万トン)を段階的に稼働させる。