欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループが2日発表した2019年1~3月期(第1四半期)の純利益は29億1,200万ユーロで、前年同期から9.6%減少した。売上高は3.1%増の600億1,200万ユーロに拡大したが、ディーゼル乗用車分野の法務費用として引当金9億8,100万ユーロを計上したことで減益となった。
同社は引当金計上の具体的な理由を明らかにしていない。可能性としてはディーゼル車排ガス不正問題に絡んだ引当金を積み増したほか、EUの欧州委員会がアドブルー(尿素水溶液)のタンク容量をめぐってVWを含む独自動車大手3社が違法なカルテルを結んでいたとして制裁金を科す可能性が高まっていることが考えられる。
特別費(引当金)計上前の営業利益は48億4,900万ユーロで、前年同期を15.2%上回った。VWブランド乗用車と商用車部門で増益となったことが大きい。高級車のアウディとポルシェはEUの新排ガステスト方式への対応の遅れが響いて減益となった。特別費計上前ベースの売上高営業利益率は8.1%で、前年同期の7.2%から0.9ポイント上昇した。