ドイツ東部のビッターフェルト=ヴォルフェンでこのほど、再生可能エネルギー由来の水素を一般世帯に供給するためのインフラ整備に関する実証試験プロジェクト「H2ネッツ(H2‐Netz)」が始動した。ガス供給網の運営事業者であるミッテルドイチェ・ネッツゲゼルシャフト・ガスなどが従来の金属製パイプの代わりとして、675メートルのプラスチック製パイプを敷設した。
同プロジェクトでは、高密度のプラスチック製パイプによる水素供給の信頼性、安全性、効率などを調査する。「H2ネッツ」は、水素エネルギーに関するプロジェクト「HYPOS」の一環で、同じくHYPOSのプロジェクトの一つである「H2ホーム(H2‐Home)」と連携している。「H2ホーム」では例えば、多世帯住宅(2家族以上が住む共同住宅)において水素由来の電力や熱をどのように供給するかなどを調査する。
「H2ネッツ」のプロジェクト期間は38カ月。プロジェクト予算は総額約380万ユーロ。うち、公的支援は約180万ユーロ(プロジェクト予算の47%)。ドイツ連邦研究教育省(BMBF)は、東ドイツ地域におけるイノベーションを推進するためのパートナーシップを支援するプログラム「Zwanzig20
Partnerschaft
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Innovation」の枠組みにおいてHYPOSを支援している。HYPOSには100を超える企業や研究機関が参加している。
アーニャ・カルリチェック連邦研究教育相によると、連邦政府は2019年末までに国家水素戦略を提示する予定。