英予算責任局(OBR)は18日、財政見通しに関する報告書を公表し、英国がEUからの合意なき離脱を迎えた場合、本格的な景気後退に入る可能性があるとの見方を示した。EUとの協定を批准できないまま離脱期限の10月末を迎えた場合、EU向け輸出の不振や投資の縮小につながり、2020年末までに国内総生産(GDP)が2%縮小すると試算。財政赤字が2倍以上に拡大する可能性があると警告している。
OBRは当初の離脱期限だった3月に向け、年初に在庫を積み増す動きが活発化した反動で、第2四半期はゼロ成長になったと分析。そのうえで、6月が特に弱い数字だったことから今後も低成長が続き、本格的な景気後退に入るリスクが高まっていると指摘した。
OBRは合意なき離脱となった場合、英・EU間の貿易が縮小するほか、経済の不透明感が増して投資が縮小すると分析。税収の減少などにより、英政府の借入金が年間300億ポンドに膨らむ可能性があるとの見方を示した。
国際通貨基金(IMF)は4月、EUからの合意なき離脱となった場合、21年までに英国のGDPを3.5%押し下げるとの見通しを示した。OBRはIMFと同じリスクモデルを使って財政見通しを策定している。