ロシア西部のサマラ州で、ボルガ川の架橋計画が進んでいる。欧州と中国西部を結ぶ広域交通インフラ整備の一環で、橋の全長は3,750メートル。年内にも建設に着手し、2024年に供用を開始する予定だ。橋の通行は有料で、車両の種類に応じて200ルーブル(約2.7ユーロ)から1,200ルーブル(約16ユーロ)が課金される見通し。
完成後はモスクワとタタルスタン共和国の首都カザンを結ぶ新しい高速道路の一部を構成する。96キロメートルの高速道路区間と合わせた建設費は1,208億ルーブル(16億3,460万ユーロ)。うち半分はサマラ州が、残りは営業権を取得するトグリアッティバイパスが拠出する。高速道路が開通すればモスクワ―サマラ間の所要時間は16時間から8時間に短縮される。
現地紙ベドモスチによると、建設費は当初の1,300億ルーブルから減額されたほか、コンセッション(運営権売却)契約の期間が30年から20年に短縮されたもよう。一部では工事を請け負うのはロシアの富豪アルカージー・ローテンベルグ氏がオーナーのモストトレストになると報じられている。
同架橋プロジェクトは先に完成したクリミア大橋に次ぐ大規模プロジェクト。以前の報道でサマラ州のアザロフ知事は、従来の道路は水力発電所の堤防を通っており現在の交通量に対応できていないと話していた。
クリミア大橋はクリミア半島とロシア本土を直接結ぶもので、今年5月から自動車の通行が可能となったほか、先ごろ線路の整備が完了していた。同橋の全長は19キロメートルで欧州最長の橋となっている。