7月電機受注1.9%減少、景況感は4カ月連続で悪化

独電気電子工業会(ZVEI)が9日発表した独業界の7月の新規受注高は前年同月を1.9%下回った。ユーロ圏(ドイツを除く)からの受注が11.4%減少し足を強く引っ張った格好。国内は1.0%減、ユーロ圏外は3.5%増だった。

1~7月の累計も前年同期を1.5%割り込んだ。ユーロ圏が4.1%縮小。国内とユーロ圏外もそれぞれ0.9%、0.6%後退した。

7月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月を0.6%下回った。需要の減少が反映された格好で、1~7月の累計も前年同期比で3.4%縮小した。

8月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合は前月の14.7%から15.8%へと増えた。「縮小」は同24.7%から24.2%へとやや減少しており、拡大から縮小を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)はマイナス10.2ポイントからマイナス8.5ポイントへと改善した。

同DIを部門別でみると、マイナス幅は電線(-37.6ポイント)、計測機器・プロセスオートメーション(-29.4ポイント)、電気駆動装置(-25.4ポイント)で特に大きかった。鉄道車両は(+100.0ポイント)はこれまでに引き続き全企業が「生産拡大」と回答した。このほか、白物家電(+28.4ポイント)、情報機器(+25.0ポイント)、照明機器(+22.2ポイント)、通信機器(+19.2ポイント)で良好だった。

7月の業界売上高は160億ユーロで、前年同月を1.8%上回った。すべての地域で増収を確保。増収幅はユーロ圏とユーロ圏外で2.4%、国内で1.1%に上った。

1~7月の売上高は1,102億ユーロで、前年同期を0.3%割り込んだ。ユーロ圏外が1.2%、国内が0.4%の幅で縮小。ユーロ圏は1.7%拡大した。

8月の業界景況感指数(現状判断指数と期待指数の中央値)は前月のマイナス5.4からマイナス8.2へと下落し、4カ月連続で悪化した。同指数がマイナスとなるのは2カ月連続。現状判断指数が大幅に低下し、期待指数も前月を下回った。期待指数(今後6カ月の見通しが「良い」とする回答から「悪い」とする回答を引いた数)は6カ月連続でマイナスとなった。

景況感指数が特に振るわなかったのは娯楽家電(-54.3)、電気駆動装置(-28.2)、電線(-23.0)。娯楽家電と電気駆動装置は現状判断と期待指数がともに大きく落ち込んだ。電線は期待指数が強く足を引っ張っている。一方、医療機器(+21.5)、情報機器(+19.7%)、配線システム(+17.9)、通信機器(+17.8)、白物家電(+10.2)は良好だった。

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