Ørsted:デンマーク国営電力会社エルステッド、送配電事業を売却

デンマークの国営電力会社エルステッドは18日、送配電事業を国内の同業Seans-Nveに213億クローネ(約3,387億円)で売却したと発表した。取引は全額現金で行われ、2020年上半期の手続き完了を見込む。

エルステッドは再生可能エネルギーを中核事業と位置づけ、特に洋上風力発電で主導権確保を目指している。同社はこうした経営戦略のもと、1年以上前に送配電事業を売却する方針を打ち出した。しかし、エルステッドの過半数株を保有するデンマーク政府はエネルギー安全保障の観点から、同国の国営企業かエルステッドの顧客企業に売却先を限定するよう要求。エルステッドこれを受け、今年に入り売却プロセスを一時中断していた。

買い手のSeans-Nveはエルステッドの既存株主で、現在は約10%の株式を保有している。同社は取引完了後、エルステッドへの出資比率を5%前後まで引き下げる方針を示している。

エルステッドの送配電事業は約200万の顧客を抱え、同社の営業利益の約8%を占める。同部門の従業員約750人はSeans-Nveが引き継ぐ。

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