機械業界が2年連続の生産減を予想

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は23日、独業界の来年の生産高が今年を実質2%下回るとの予測を発表した。今年も実質2%減を見込んでおり、2年連続で縮小する見通しだ。

VDMAは当初、今年の生産成長率を2%としていた。だが、◇米中通商摩擦◇英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱◇車両の電動・自動・IoT化に伴う自動車業界の構造転換――などを受けて新規投資抑制の動きが顧客業界で広がったことから、7月に同マイナス2%へと下方修正した。

来年もマイナス成長になるとの予想を今回、示したのは状況が一段と悪化しているためだ。国内では自動車業界を中心に機械投資を先送りする傾向が強まっている。

国外でもこれまで好調だった米国で投資の勢いが急速に弱まっている。中国との通商摩擦の影響が同地の製造業に波及していることが背景にある。中国とEUも振るわない。このほか、政治的な問題が響いてロシア、トルコ、イラン、メキシコ、アルゼンチンなど主要新興国で市場が低迷している。

独機械業界の生産高は第1四半期(1~3月)に前年同期を0.3%上回ったものの、第2四半期(4~6月)は同2.9%減少。1~7月の累計は前年同期を0.9%割り込んだ。

受注残は7月時点で8.4カ月と長い。このため工場稼働率は86.6%と平均をやや上回る水準を保っている。

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