英国のEU離脱(ブレグジット)の最大の恩恵を受ける都市はフランクフルト――。独ヘッセン・テューリンゲン州立銀行(Helaba)がこのような調査結果をまとめたブレグジット決定に伴ってロンドンから同市への業務移管や現地事業の拡大を決めた銀行(ドイツの金融機関を除く)は現時点で31行に達し、パリなどの競合都市を圧倒している。
最も多いのは米国系で9行に上った。これに日本と英国がそれぞれ4行で続く。4位にはスイス、中国、台湾が各2行で並んだ。
フランクフルトに次ぐロンドンからの移管先はパリで、外国系の銀行11行が選定した。これにダブリンが9行、ルクセンブルクが8行、アムステルダムが5行で続く。三菱UFJフィナンシャル・グループは傘下の三菱UFJ証券ホールディングスのEU拠点としてアムステルダムとパリを選んでいる。また、野村ホールディングスはフランクフルトとパリの2都市に移管する。
フランクフルトへの行員の異動はすでに始まっている。Helabaの予測によると、同地で働く銀行員は2021年末までに1%(約600人)増えて64万5,000人となる見通しだ。