スイス証券取引所を運営するSIXグループは18日、スペインの証券取引所運営会社ボルサス・イ・メルカードス・エスパニョーレス(BME)に買収を提案したと発表した。一方、欧州の多国籍取引所ユーロネクストは同日、BMEと買収に向けた協議を行っていることを明らかにしており、両社によるBME争奪戦に発展する可能性がある。
SIXの買収提案は、BMEの株式を1株当たり34ユーロで取得するという内容。直近の終値に33%を上乗せした水準で、全株式を取得した場合の買収額は28億ユーロに上る。
欧州では証券取引所の統合が活発化している。SIXはマドリード証券取引所を運営するBMEを買収すると、ロンドン証券取引所(LSE)、ドイツ取引所に次ぐ欧州3位の証取運営会社となる。EUとスイスの枠組み協定がまとまらず、EUが7月からスイスの証券取引所とEU内の証券取引所との「同等性」認定を取り消し、EU内の投資家がスイスの取引所で売買することが禁止されたことから、BME買収にはEU市場に足がかりを築く狙いもある。
ユーロネクストはパリ、ブリュッセル、アムステルダム、リスボン、ダブリン、オスロの証券取引所を運営する企業。BME買収を検討していると伝えられていた。
市場ではSIX
とユーロネクストによるBME買収合戦が繰り広げられるとの見方が広がっており、BMEの株価は同日に急騰した。