ティファニーがLVMHの傘下に、162億ドルでの買収で合意

高級ブランド大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイ・ヴィトンは11月25日、宝飾品大手の米ティファニーを買収することで合意したと発表した。買収額は162億ドルで、同業界では過去最大規模。これによってLVMHは宝飾品部門と米国事業を強化することができる。

LVMHは10月末、ティファニーに145億ドルでの買収を提案していた。1株当たりの買い取り価格は120ドル。その後に同価格を130ドルまで引き上げ、最終的に135ドルを提示して同意を取り付けた。買収提案が公表される直前の株価に37%を上乗せした水準だ。

LVMHはルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、フェンディ、ジバンシーといった高級ブランドや高級時計メーカーのタグホイヤーなどを傘下に持つ。宝飾品ではブルガリ、ショーメといったブランドがあるが、同部門が売上高に占める割合は低い。ティファニー買収によって高級宝飾品市場でのシェアが拡大し、カルティエなどのブランドを持つスイスのリシュモンを抜いて1位となる。

ティファニーはオードリー・ヘプバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」の舞台となったことで知られる老舗宝飾品店だが、このところ大きな収益源である中国人向け販売が同国の景気減速、米国を訪れる中国人観光客の減少で減るなど苦戦しており、若い購買層へのアピール強化や男性向け商品の投入といった成長戦略を進めている。巨大な資本を持つLVMHの傘下に入り、同戦略を推進していく方針だ。

買収はティファニーの株主、関係当局の承認が必要。2020年半ばの買収手続き完了を目指す。

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