三菱商事と中部電力は11月25日、オランダのエネルギー大手エネコを共同で買収することで合意したと発表した。エネコの売却入札で優先交渉権を獲得。手続きを進めた上で、最大100%の株式を41億ユーロで取得する。
エネコは発電、電力・ガス小売り、地域熱供給事業などを手がける総合エネルギー企業。オランダ、ベルギー、ドイツが主要市場で、再生可能エネルギー事業に強みを持つ。ロッテルダム市など地方自治体が主要株主となっている。
三菱商事と中部電力は民営化入札で最も良い条件を提示し、買収に向けた優先交渉権を獲得した。株主の承認とエネコ社内の手続きを経て株式売買契約を締結し、三菱商事と中部電力が共同で設立した新会社を通じて買収する予定だ。
三菱商事はエネコと2012年から欧州の洋上風力発電事業や蓄電事業で提携した経緯がある。同社と中部電力、エネコのノウハウや技術力を持ち寄り、欧州や欧州外での再生可能エネルギー事業などの強化を図る。