カザフスタン政府は11月26日、中国とロシアが進めている天然ガスパイプライン建設計画「シベリアの力2」への参加を同国が検討していることを明らかにした。西シベリアの天然ガスを中国に輸送する同パイプラインがカザフスタンを通過することを念頭に、同国東部で生産される天然ガスを極東に輸出することを視野に入れる。
「シベリアの力2」パイプライン計画は、西シベリアのガス田からカザフスタンとモンゴルに挟まれた狭い地域にある露中間の国境を経由し、中国に至る天然ガスパイプラインを敷設するもので、年間輸送量は300億立法メートル。ロシア国営ガスプロムは2015年に中国同業の中国石油天然気集団(CNPC)と同ルートの建設で概ね合意していた。
カザフスタン政府は「シベリアの力2」への参加について、カザフスタン東部のガス田の生産量は少なく、広範囲に供給するためのインフラの独自整備が困難なことを理由として挙げた。一方で「シベリアの力2」のほか、アルタイ地方のバルナウルを起点とするルートの利用も検討していることも明らかにした。
「シベリアの力2」に先立ち建設が進められてきた天然ガスパイプライン「シベリアの力」は、東シベリアのイルクーツク州にあるコビクタ・ガス田やサハ共和国のチャヤンダ・ガス田で生産される天然ガスを、中国との国境沿いにあるブラゴベシチェンスクを経由して同国に輸出するもので、今年12月からの稼働開始が予定されている。同パイプラインにより年間380億立方メートルの天然ガスが中国に輸出される見通し。