燃料電池の量産工程に関する研究プロジェクト、独BW州で実施

ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州で燃料電池の量産工程に関する研究プロジェクト「HyFab‐バーデン・ヴュルテンベルク‐燃料電池・水素のための研究工場」が実施される。燃料電池の生産自動化や品質確保に関する工程の研究・試験に取り組むプロジェクトで、研究目的の工場をウルムに整備する計画。同州にあるバーデン・ヴュルテンベルク太陽エネルギー水素研究センター(ZSW)(調整役)とフラウンホーファー・太陽エネルギーシステム研究所(ISE、フライブルク)が共同で実施する。また、自動車メーカーや自動車部品メーカー、その他の研究機関もプロジェクトに協力する。

ウルムにあるZSWでは、新しい生産設備や試験設備などを導入するため、施設を大幅に拡張する計画で、ウルムに研究工場を整備するため総額で約7,400万ユーロの投資を計画している。

バーデン・ヴュルテンベルク州環境・気候・エネルギー経済省は12月19日、当該プロジェクトに3年間で総額790万ユーロを支援すると発表した。また、同プロジェクトでは、研究工場の整備のため、バーデン・ヴュルテンベルク州経済省に1,060万ユーロの助成を申請した。バーデン・ヴュルテンベルク州は、環境省、経済省を通して最大1,850万ユーロを支援する。

産業界は同プロジェクトに約2,000万ユーロを投資する予定。さらに、連邦交通・デジタルインフラストラクチャー省および連邦経済・エネルギー省も同プロジェクトを支援する計画。

同プロジェクトでは、量産品としての品質やコストの目標を満たすための工程を研究する。燃料電池の部材である膜・電極接合体(MEA)から燃料電池スタックまで一連の工程を対象とする。さらに、ノウハウを産業界に伝えるための実習・トレーニングのプラン、ワークショップなどを共同で企画する計画。ZSWは主にスタックに関する工程に、フラウンホーファー研究所(ISE)は膜・電極接合体(MEA)に研究の重点を置く。

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