対ロ制裁の6カ月延長を決定、停戦合意の完全履行まで継続

欧州連合(EU)加盟国は12月19日、ウクライナ情勢を受けて発動したロシアに対する経済制裁の延長を正式決定した。ウクライナ東部紛争の解決に向けて進展がみられるものの、停戦合意の完全履行には至っていないため、制裁の継続を全会一致で決めた。同制裁は1月末が期限となっていたが、7月末まで6カ月延長する。

EUは2014年8月、ウクライナ東部で政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘が激化したのを受け、親ロシア派の後ろ盾とされるロシアへの経済制裁を発動した。金融取引の制限、エネルギー分野における技術供与の制限、武器取引の禁止、軍事関連の技術援助や資金援助の制限を柱とする内容。当初は1年間の期限付きだったが、その後、15年2月に成立した停戦合意をロシアが完全に履行するまで解除しない方針を決め、これまで半年ごとに制裁を延長している。

ウクライナ東部紛をめぐっては、ロシア、ウクライナと仲介役のドイツ、フランスを加えた4カ国首脳が12月9日にパリで会談し、年内に東部全域で停戦を実現することで合意した。EUは直後に開いた首脳会議で1月末に期限が迫った対ロ制裁について協議し、パリ合意を踏まえた上で、停戦合意が完全に履行されるまで制裁を継続する方針を確認。19日の閣僚理事会で再延長を正式決定した。

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