トレイトン―欧州需要の低迷で生産調整―

フォルクスワーゲン(VW)の商用車子会社トレイトン(ミュンヘン)は15日、生産調整を行っていることを明らかにした。欧州需要が大きく落ち込んでいるため。減産に伴い派遣社員を削減している。

欧州連合(EU)ではデジタル式運行記録計(デジタルタコグラフ)の装備をトラックに義務付けるルールが昨年6月15日付で施行された。これを受けて新車需要が上半期に殺到。下半期以降はその反動で市場が縮小している。英国のEU離脱をにらんだ需要の前倒しや景気低迷の影響もあり、トレイトンの下半期の新規受注は前期(上半期)比12%減の8万9,500台へと落ち込んだ。19年全体でも前年を7%割り込んでいる。

欧州のトラック市場(6トン以上)は今年も前年比で10~20%縮小する見通し。特に昨年の反動で上半期の減少幅が大きくなると同社は予想している。

トレイトンの19年の販売台数は24万2,200台で、前年を4%上回った。ブラジル需要の大幅増と欧州の上半期の好調が押し上げ要因となった。売上高営業利益率で6.5~7.5%を確保するとした目標は達成したとしている。

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