スズキのディーゼル車が排ガス不正、オランダ当局が認定

オランダ陸運局は23日、スズキと欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のディーゼル車が、EUの排ガス規制に違反し、不正なソフトウェアを使用していたと認定したと発表した。スズキは是正措置を講じなければ、対象車種の欧州での販売が禁止される。

対象となるのはスズキの「ビターラ(日本名エスクード)」、FCAの「ジープ・グランドチェロキー」。陸運局は2017年7月、両車種がEUの排ガス規制を逃れるため、不正なソフトウェアを搭載していた疑いがあるとして、調査を開始していた。

陸運局は調査の結果、試験時と路上走行時の排ガス制御システムの作動が異なり、実走行では基準を大きく上回る窒素酸化物(NOx)が排出されていたと認定した。

スズキはビターラのディーゼルエンジンをFCAから調達していた。同社は陸運局の指摘を受け、17年にソフトを修正したが、修正後のソフトも問題があると判定され、是正を求められた。陸運局は十分に対処しなければ、欧州での販売に必要な型式認定を取り消すとしている。

ジープ・グランドチェロキーについては、ソフト修正のため欧州全体でのリコールを命令。FCAに適正な対応を促すため、予備的措置して型式認定取り消しの手続きに着手した。

スズキは2月中旬までの回答を求められている。EUでは1カ国で形式認定が取り消されれば、域内全体で販売できなくなる。スズキは18年に欧州向けビターラの生産を終了しており、形式認定が取り消されても大きな影響はない。同社は24日、「陸運局の調査に全面的に協力していく」とコメントした。

欧州など各国の当局は、15年にフォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正が発覚してからディーゼル車の調査を進めており、21日にはドイツの検察が三菱自動車にディーゼル車の排ガス不正操作の疑いがあるとして、独国内の複数の拠点の家宅捜索に入った。

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