EU統計局ユーロスタットが1月31日に発表したユーロ圏の1月のインフレ率(速報値)は前年同月比1.4%となり、前月の1.3%を0.1ポイント上回った。エネルギー価格の上昇に支えられ、3カ月連続で拡大した。
分野別ではエネルギーが1.8%と、前月の0.2%から急上昇した。工業製品は前月と同水準の0.5%。サービスは1.8%から1.5%に縮小した。
ユーロ圏のインフレ率は、欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%を依然として大きく割り込んでいる。ECBが金融政策決定で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は1.1%で、前月から0.2ポイント縮小し、物価の基調は弱い。19年10~12月期のGDP伸び率が低水準にとどまったこともあり、市場ではECBが追加の金融緩和に踏み切るとの見方も浮上している。