データセンターの電力料金、独は周辺国の6倍

独情報通信業界連盟(Bitkom)はこのほど、ドイツのデータセンターの電力料金は周辺諸国の最大6倍に上ることを明らかにした。基礎価格に上乗せされる税金、公課、送電料金が電力料金を膨らませており、Bitkomのベルンハルト・ローレーダー専務理事はこれらの付加コストが電力料金の約70%を占めることを指摘。現状を放置するとデータセンターの国外流出が加速し、産業立地競争力が低下すると警鐘を鳴らした。

ドイツのデータセンターが支払う電力の付加コストは1メガワット時(MWh)当たり113.11ユーロに上る。これは欧州最低のオランダ(17.08ユーロ)の6.6倍に上る。欧州のなかでは最も高く、割高なスイス(79.93ユーロ)、イタリア(82.89ユーロ)を大きく上回る。

Bitkomは電力の基礎価格は欧州各国で大きな違いがなく、各国が政策的に決める付加コストが電力料金の差を生み出していることを指摘。ドイツでは再生可能エネルギー電力の助成分担金ルールを変更し、データセンターが鉄鋼や化学など他のエネルギー集約型産業と同様に同分担金の軽減措置を受けられるようにすることが重要だと訴えた。

Bitkomはさらに、経済・消費者データの管理が主にアマゾンなど米IT大手のクラウド上で行われている現状を改め「デジタル主権」を取り戻すという、ドイツ政府が打ち出したクラウド構想「ガイアX」を実現するうえでデータセンターが果たす戦略的な役割も指摘し、電力料金負担軽減の意義を強調した。少なくとも、エネルギー効率が高いデータセンターの負担を引き下げることを検討するよう要求している。

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