自動車部品大手のZFフリードリヒスハーフェンが燃料消費と排ガス値を不正に操作する装置を顧客の自動車メーカーに供給していた疑いで、独シュツットガルト検察当局が捜査を進めている。現地経済誌『ヴィルトシャフツボッヘ』が検察の確認を得た情報として10日、報じた。ZFの広報担当者は「検察に協力していく」と文書で回答したものの、それ以上の情報については捜査が進行中であることを理由に公表できないとしている。
検察によると、捜査の焦点となっているのはトランスミッションと制御機器、およびこれらに搭載されているソフトウエアだ。同ソフトに台上試験と路上走行の違いを認識する機能が搭載されている疑いがあるという。
検察は不正に関与した社員を対象に捜査を進めている。そのうちの一部についてはすでに氏名を把握しており、検察の広報担当者は「中級管理職だ」と答えた。検察は同社に対しても監督義務違反で過料を科す方向だ。