新型コロナ危機が独金属・自動車・機械・電機業界にもたらす影響が一段と深刻化している。同業界の雇用者団体ゲザムトメタルが14日に発表した5月の加盟企業アンケート調査結果によると、新型コロナの影響で生産に支障が出ている企業の割合は91.5%に達し、4月の83.4%から8ポイント以上、増加した。操短を実施する企業も増えており、状況は極めて厳しい。
4月に続く2度目となる今回の調査は加盟企業の20%に当たる1,402社を対象に4~7日の4日間、行われた。それによると、生産の支障が「とても大きい」との回答は前回の12%から21%、「大きい」も19%から23%に増加。「支障がない」は17%から9%に減った。
支障が「とても大きい」との回答比率が最も高かった部門は自動車で、66%(前回27%)に上った。「その他の車両」は36%、金属製品は24%、金属製造・加工は19%、機械は12%、電機は6%。自動車は同回答比率が高いだけでなく、前回からの増加幅も大きい。機械は同回答の割合が低下した。
生産に支障が出た原因・理由では「需要不足」が81%で最も多かった。前回の57%から24ポイント増えており、先行き不安から顧客企業と消費者の支出抑制が強まっていることがうかがわれる。
「(子供の世話や病気による)労働力不足」を生産支障の原因とする回答は前回の36%から16%へと大きく減少した。「部品・材料不足」も32%から26%に減っており、サプライチェーンの支障は改善に向かっているもようだ。
「被用者を感染から保護するため」は10%から23%へと大きく増えた。感染防止策に苦慮している企業が多いとみられる。
操業時間を短縮した企業は60%に達し、前回の43%から増加した。業界の就労者400万人のうち155万人(4月120万人)が操短の対象となっている。今後5週間以内に操短を実施予定の企業は21%に上る。
5月の工場稼働率は平均65%で、4月と同水準だった。2000年以降でこれまで最も低かった2009年第3四半期(7~9月)の66.6%を2カ月連続で割り込んでいる。