医薬品の認可など欧州連合(EU)の薬事規制を統括する欧州医薬品庁(EMA)は、EUでは新型コロナウイルスに有効なワクチンが早ければ1年後に認可されると見込んでいる。ワクチン部門の責任者であるマルコ・カバレリ氏が14日、記者団に明らかにした。
カバレリ氏は「ワクチン開発はゼロからスタートしなければならない」と指摘し、ワクチン開発の難しさを強調。そのうえで、現在行われている臨床試験のデータに基づく「最も楽観的なシナリオ」では1年後の2021年初めには認可にこぎ着ける可能性があると述べた。第1号が今年9月までに認可されるという一部の観測については、懐疑的な見方を示した。
世界では100種類以上の新型コロナウイルス・ワクチンの開発が進められている。米国、中国などEU域外で先に開発されても、域内に供給されるのは後回しになるため、EU内の製薬会社や研究所が開発し、認可されれば新型コロナ感染の封じ込めが一気に加速することになる。