英高級車メーカーのジャガーランドローバー(JLR)が15日発表した2019/20年度通期決算の純損失は4億2,200万ポンドとなり、前年の3億5,800万ポンドから17.9%拡大した。新型コロナウイルス感染拡大を受け、主力市場の中国で1月以降需要が急減したことが響き、2年連続の赤字決算となった。売上高は前年比5%減の230億ポンドに後退、販売台数も12.1%減の50万8,659台に大きく落ち込んだ。売上高営業利益率(EBITマージン)はマイナス0.1%で、前年から0.6ポイント改善した。
第4四半期(1-3月期)の売上高は54億ポンドに激減。このため純損失は5億100万ポンドに拡大した。販売台数が前年同期比30.9%減の10万9,869台に落ち込んだのが響いた。
モデル別では、完全電気自動車(EV)のジャガー「Iペース」が前年比40%増、クロスオーバーSUV「レンジローバー・イヴォーク」も24.7%増加した。
JLRは今後の見通しについて、新型コロナ対策で導入されたロックダウン(都市封鎖)措置の緩和に伴い売り上げが徐々に回復すると見込んでいる。販売台数の落込み幅は4月の前年同月比62.5%減から5月に同43.3%減へと縮小した。中国市場単体で見ると、販売台数は4月の前年同月比3.1%減から5月は同4.2%増に回復してきている。
同社によると、3月31日時点で37億ポンドの現金と、未活用の回転信用枠19億ポンド、合わせて56億ポンドの流動性資金を確保している。