TRIPS

モビリティ(移動)におけるバリアフリーに関する欧州連合(EU)プロジェクト。欧州の7都市(ボローニャ、ブリュッセル、カリアリ、リスボン、ソフィア、ストックホルム、ザグレブ)をパイロット都市として、さまざまな障害を持つ人と研究者が協力し、バリアフリーの移動コンセプトの開発や実証試験などに取り組む。

実施期間は2020年2月から2023年1月までの3年間。プロジェクト予算は約280万ユーロ。EUは研究・技術開発枠組み計画「ホライズン2020」を通して当該プロジェクトを支援する。

EUには、視覚や聴覚、運動機能などの障害や精神疾患などで移動に問題を抱える人が4,200万人いるとされる。移動においては、エレベーターやスロープなどのインフラ不足や、分かり難いアプリ、一時的な道路の進路変更など、さまざまな問題がある。これらによって移動が困難なると、自律した生活や社会参加、教育、就業などに支障が生じる。

当該プロジェクトでは、デジタル技術などの導入により交通環境が大きな転換期を迎えている現在は、さまざまな障害を持つ人々の意見をモビリティ形成の初期段階から反映させやすい環境にあると見ている。このため、インタビューやSNSの投稿などから問題点を調査・分析し、バリアフリーの移動環境の実現に向けて、デジタルサービスやサポートサービス、インフラ整備などさまざまな可能性を探っていく。

具体的には、アプリを活用したサービス、シャトルサービス、キックボードなどの新しい移動手段の活用など、新しいモビリティサービスや支援システム、サポート技術などを調査する。また、自治体や交通事業者、団体などとも協力していく。

調整役はオランダのアイントホーフェン工科大学が務める。これに加え、ドイツ航空宇宙センター(DLR)など7カ国の10パートナーがプロジェクトに参加している。

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