英の入国者に対する隔離義務化、BAなど3社が法的措置

英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)など航空会社3社は12日、英政府が新型コロナウイルスの感染防止策として新たに導入した入国者に対する隔離措置を不服とし、共同で法的手続きに入ったと発表した。経済再開に向けた動きが本格化する中で導入されや厳しい規制は合理性を欠き、観光業は深刻な打撃を受けるとして見直しを求めている。

法的措置に乗り出したのはBAのほか、格安航空会社(LCC)大手の英イージージェットとアイルランドの同業ライアンエアー。3社は11日、高等法院に対し、司法審査の開始を求める書類を提出した。

英政府は今月8日、自国民を含む入国者に対し、自宅やホテルなどでの14日間の自主隔離を義務付ける規制を導入した。隔離中は公共交通機関の利用が禁止され、食料や生活必需品を調達するための外出も厳しく制限される。抜き打ちでチェックを行い、申告した滞在場所にいないなど違反が発覚した場合、1,000ポンド(約13万5,000円)の罰金を科すという厳しい内容。

3社は入国者に対する規制が新型コロナの感染者に対する行動制限より厳しい点や、業界に対する事前の説明がなく、十分な科学的根拠も示されていない点を問題視。感染リスクが高い国・地域の入国者に限り、自主隔離を求めていた従来の対応に戻すよう求めている。

英国は感染拡大の初期段階に中国からの入国を制限したものの、その後は入国制限に慎重だった経緯がある。政府は欧州諸国が渡航制限の緩和に動く中で水際対策を強化する意義について、国外からの流入によって感染が再拡大するのを防ぐための措置と説明。3週間ごとに隔離措置の有効性を検証するほか、観戦リスクが低い国・地域からの入国については制限の解除を検討する方針を示したものの、航空業界は強く反発していた。

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