自動車大手の独ダイムラーは8日に開いた株主総会で、コスト削減を強化する方針を打ち出した。新型コロナ危機を踏まえた措置。オラ・ケレニウス社長は、昨年に発表したコスト削減計画は車両の電動・IoT化に対応するためで、世界的な景気後退を想定したものではないと指摘。これまで以上に踏み込んだ取り組みが必要不可欠になっていると強調した。コスト削減の具体的な数値は提示していないものの、生産能力を調整するとしていることから、人員削減を上乗せするのは確実とみられる。
同社は昨年11月、収益力強化を発表した。排ガス規制の強化と車両の電動・IoT化を背景に利益が圧迫されているためで、事業プロセス・構造のスリム・効率化を通して2022年までにコストを15億ユーロ以上圧縮。世界の従業員30万人のうち1万人以上を整理することになっている。
ダイムラーの1~6月の乗用車販売台数は94万5,190となり、前年同期を20.9%下回った。小型車ブランド「スマート」が83.3%減の1万101台と激減。主力の「メルセデスベンツ」も17.6%減の93万5,089台と振るわなかった。