ハンガリー中銀が2カ月連続で利下げ、政策金利0.6%に

ハンガリー中央銀行は21日に開いた金融政策理事会で、主要政策金利である3カ月物固定預金金利(ベース金利)を22日付で0.60%に引き下げることを決めた。6月に約4年ぶりに0.90%から0.75%に引き下げており、2カ月連続での利下げとなる。新型コロナ危機で経済環境が困難な状況にある中、物価および流動資金の安定と持続的な経済回復につなげる。 政策金利の下限となる翌日物貸出金利はマイナス0.05%、上限となる翌日物および7日物有担保付貸出金利は1.85%で据え置いた。ただ、景気回復がもたつくなどで経済見通しが悪化すれば、中銀は追加的景気刺激措置としてこれらの利下げを検討する姿勢だ。

同国の20年1~3月期の経済成長率は前年同期比2.2%だった。中銀は4~6月期は新型コロナの影響を最も大きく受けるものの、すでに5月には回復の兆しが見え始めており、7~9月期には景気が上向くとの見方だ。通年では当初予測を下回る0.3~2.0%にとどまるが、2021年に3.8~5.1%、22年に3.5~3.7%と勢いを回復するとみている。

インフレ率は1月に4.7%と2013年以降で最高水準をつけたが、5月には2.2%まで低下した。コロナ危機の影響で特に食品と石油製品の価格変動が大きく、6月は2.9%に上向いた。当面は物価上昇圧力が高いとの観測だ。中銀は通年で3.3~3.5%、来年は2.6~2.7%と予測する。

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