サノフィ、バイオ医薬品の米プリンシピアを買収

仏製薬大手サノフィは17日、米バイオ医薬品企業のプリンシピア・バイオファーマを買収することで合意したと発表した。買収額は36億8,000万ドル。プリンシピアは自己免疫疾患系の治療薬に強みを持つ企業で、サノフィは買収によって同分野を強化する。

サノフィはプリンシピアを1株当たり100ドルで買収する。同価格は前営業日(14日)の終値に10%を上乗せした水準となる。2020年10~12月期の買収手続き完了を見込む。

プリンシピアは多発性硬化症、天疱瘡など自己免疫疾患の治療薬の開発を手がける企業。開発中の天疱瘡治療薬は最終段階の臨床試験が行われており、開発に成功すれば抗がん剤「リツキサン」の天疱瘡治療薬としての利用が米国、欧州で認可されたライバルのロシュを追撃できる。

サノフィは1年前にハドソン最高経営責任者(CEO)が就任してから、高価で収益性が高い稀少疾患、免疫性疾患の治療楽部門を強化する戦略を進めており、12月にはがん、自己免疫疾患の治療薬の開発を手がける米ベンチャー企業のシンソークスを25億ドルで買収すると発表していた。

プリンシピアとは17年から中枢神経系原発リンパ腫の治療に使われるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の開発で提携しており、販売にこぎ着ければプリンシピアに最大7億6,500万ドルを支払うことになっていた。買収によって同コストが不要となる。

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