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2020/8/31

EU情報

仏・独がコロナ感染防止策を強化、パリは屋外のマスク着用義務化

この記事の要約

フランスとドイツの政府は27日、新型コロナウイルス感染が再び拡大していることを受けて、相次いで感染防止策の強化を発表した。フランスでは首都パリで屋外でのマスク着用を義務付ける。ドイツは大規模なイベントの開催禁止を年末まで […]

フランスとドイツの政府は27日、新型コロナウイルス感染が再び拡大していることを受けて、相次いで感染防止策の強化を発表した。フランスでは首都パリで屋外でのマスク着用を義務付ける。ドイツは大規模なイベントの開催禁止を年末まで延長することなどを打ち出した。

フランスでは新型コロナ感染者が5、6月に減少傾向にあった。しかし、制限していた経済・社会活動の再開が進んでから増加に転じ、1日当たりの新規感染者は27日に6,000人を超え、5月以来の高水準に達した。感染者1人が周りに感染させる平均人数を示す「実効再生産数」は1.4となっている。

政府はこれまでに公共交通機関や商店、密閉状態にある公共の場所、職場でのマスク着用を義務付けていた。今回の決定で、パリでは28日午前8時から全域で屋外での着用が求められる。夏のバカンスで海外旅行した人が滞在先で感染し、帰国後に感染を広げるケースがパリで多いことが背景にある。歩行中や自転車に乗っている際も着用が必要となる。屋外でも自動車の車内にいる時は規制対象外とする。

同じく感染者が増加しているドイツのメルケル首相は同日、16州の州首相と新型コロナ感染対策について協議。中北部ザクセン・アンハルト州を除く15州と対策強化で合意した。多くの人が集まる大規模イベントの開催禁止措置は10月末が期限となっていたが、年内は継続する。商店、公共交通機関などでのマスク着用義務を守らなかった者に50ユーロ以上の罰金を科すことも決めた。

ドイツでもフランスと同じく、海外旅行で新型コロナに感染するケースが目立っている。その対策として、不要不急であるにもかかわらず感染リスクが高い国・地域として政府が指定しているところに渡航した人が帰国した際に、少なくとも5日間の自宅隔離を義務付け、検査のため病院に行くことも制限する。その後の検査で陰性が確認されれば、14日間の隔離を早期に終えることを認める。こうした渡航者に対しては、帰国後の隔離で休業した場合の補償対象から除外する。これらの措置は10月1日から実施する。