ドイツが初の環境債発行、使途の透明制などに配慮

ドイツ政府は2日、同国初の環境債(グリーンボンド)を発効した。発行額は65億ユーロ、利率は0%、償還期間は10年。当初は40億ユーロを予定していたが、需要が330億ユーロを超えたことから増額した。調達した資金は温暖化防止など環境分野のプロジェクトに投入する。

グリーンボンドは通常、将来の環境プロジェクトの資金を調達するために発行する。このため、資金が実際に環境分野に投じられるかどうかが分からないという問題がある。

独政府はこれを踏まえ、調達した資金を過去のプロジェクトの資金に充てる。これにより、資金が確実に環境分野に投じられることから、使途の透明性が確保され、投資家は安心して購入できる。

償還期間が同一の通常債とセット(双子債)で発行されたことも今回の環境債の特徴だ。環境債は双子の相方に当たる通常債といつでも交換できることから、通常債よりも市場での取引条件が悪化する恐れがない。これにより、発行規模が少なく流動性が低いことが原因となり、環境債の取引価格が通常債を下回る事態が回避される。

政府は今年、計110億ユーロの環境債発行を計画している。10~12月期には5年物を発行する予定だ。

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