PKNオルレンが排出ゼロ戦略発表、2050年の実現目指す

ポーランド国営石油大手のPKNオルレンは9日、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出ゼロの実現を目指す新戦略を発表した。第1段階として30年までに250億ズロチ(56億1,570万ユーロ)超を投じ、環境負荷の軽減措置と新しいビジネスモデルに着手。精製・石油化学事業による排出量を現状から20%、発電事業では1メガワット時あたり33%削減する。

オルレンは中欧企業として初めて具体的な排出ゼロ戦略を打ち出し、同地域のエネルギー産業の構造転換を主導したい考えだ。近年は特に再生可能エネルギー事業に力を入れており、同発電施設は現在50以上、総発電能力は450メガワットに上る。また、バイオ燃料やバイオガスの生産も行っている。

排出ゼロ戦略では、生産工程のエネルギー効率化、発電事業でのゼロまたは低排出化、代替燃料、グリーンファイナンス(環境問題に関わる投資)の4つの課題を柱に、既存事業の排出削減と新事業分野の開発に取り組む。精製・石化事業では新技術の導入などエネルギー効率向上に関わるプロジェクトを、向こう10年間で60超実施する。バイオ燃料分野では水素化植物油(HVO)、リグノセルロース系バイオエタノール、バイオメタンなど5つの製品プロジェクトに投資し、30年までに年間総生産量を約50万トン増やす計画だ。

新事業分野では低・ゼロ排出発電に向け、洋上・内陸風力発電、太陽光発電、水力発電の開発のほか代替燃料の販売網の拡大に取り組む。水素燃料事業への進出では、国内中部のヴウォツワヴェクに新工場を建設するほか、既存の石油やバイオ燃料の精製拠点でも生産施設を整備する。

上部へスクロール