経済活性化へ5Gネットワークの普及加速を、欧州委が加盟国に勧告

欧州委員会は18日、新型コロナウイルス感染症による危機で打撃を受けたEU経済を活性化するため、次世代移動通信システム「5G」ネットワークの普及を加速させるよう加盟国に勧告した。フォンデアライエン委員長は16日の一般教書演説で、気候変動対策と並んでデジタル化の推進を最重要課題として挙げており、5Gの普及促進はその柱となる。

欧州委のベステアー副委員長(デジタル政策・競争政策担当)は「ブロードバンドと5Gがデジタル経済への移行を実現するための土台となる。新型コロナ危機を通じ、すべての企業やEU市民、公共サービスにとって高速インターネットへのアクセスを確保するだけでなく、5Gの普及を急がなければならないことが明らかになった」と強調。EU経済が今後数年にわたり競争力と持続的な成長を維持するため、全ての加盟国が協力して5Gの展開を加速させる必要があると訴えた。

欧州委は加盟国に対して◇5Gネットワークの構築にあたり不必要な行政手続きを排除し、経費削減と事業の効率化を実現する◇5G事業者にインフラ投資の拡大を呼びかける◇周波数の割り当てが円滑に進むよう、加盟国の間で協力体制を強化する――などを要請。その上で、早期にEU全域で5Gを含む超高速インターネット網の普及を図るため、2021年3月末までに加盟国がベストプラクティスを共有するための「ツールボックス」を策定する方針を打ち出し、12月20日までに自国で実施した取り組みや検討中の施策などを報告するよう求めた。

上部へスクロール