乗用車新車登録5月も大幅減に、増加ブランドはスバルのみ

ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した5月の乗用車新車登録台数は前年同月比49.5%減の16万8,148台となり、前月(同61.1%減)に引き続き激減した。新型コロナ危機が響いた格好で、1~5月の累計も前年同期比35.0%減の99万350台へと落ち込んだ。

同国では新型コロナの感染拡大を防ぐために実施されていた小売店の営業制限が4月20日に緩和され、自動車販売店は同日から営業を再開できるようになった。だが、新型コロナ危機で消費者心理は強く冷え込んでおり、来店者が少ない状態が続いている。こうした事情を受けて5月の新車登録が大きく落ち込んだ。社用車としての登録は前年同月比で50.3%、マイカーは同48.2%減少している。

5月の新車登録を動力源別でみると、大幅に落ち込んだのは内燃機関車で、ガソリン車は56.3%、ディーゼル車は52.0%減少した。新車に占める割合はガソリン車が前年同月の59.0%から51.1%、ディーゼル車が33.3%から31.6%へと落ち込んだ。

一方、環境対応車は新車登録が軒並み増加。電気自動車(EV)は20.5%増の5,578台、ハイブリッド車(HV)は18.3%増の2万2,844台、プラグインハイブリッド車(PHV)は106.6%増の6,755台へと拡大した。シェアはEVが1.4%から3.3%、HVが5.8%から13.6%、PHVが1.0%から4.0%へと伸びている。

新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均154.8グラムで、前年同月を2.2%下回った。

車種別でみると、新車登録が増えたのはキャンピングカー(29.1%増)のみで、そのほかはすべて減少。減少幅はミニバンで73.3%、超小型車で70.1%に達した。

新車登録台数が増えた主要ブランドはスバル(13.3%増の485台)だけだった。

ドイツ車はすべて40%以上、落ち込んだ。各ブランドの実績はメルセデスが42.5%減の1万7,134台、ポルシェが43.7%減の1,745台、アウディが46.1%減の1万3,915台、ミニが51.0%減の1,853台、VWが51.5%減の2万9,568台、フォードが57.1%減の1万1,156台、オペルが59.6%減の8,742台、BMWが62.1%減の1万240台、スマートが91.4%減の379台だった。

スバル以外の日本車は三菱が19.2%減の4,139台、日産が48.1%減の1,570台、トヨタが50.9%減の4,199台、マツダが52.9%減の2,734台、ホンダが55.9%減の554台、スズキが57.3%減の1,273台、レクサスが59.3%減の200台。

日本車以外の主な輸入ブランドもすべて2ケタ減となった。実績はフィアットが13.0%減の8,609台、DSが25.1%減の200台、テスラが27.9%減の312台、シトロエンが29.3%減の4,230台、ランドローバーが31.6%減の1,050台、ルノーが33.9%減の6,869台、アルファロメオが37.1%減の178台、双竜が38.5%減の160台、プジョーが40.9%減の3,899台、ジャガーが41.4%減の500台、起亜が41.7%減の3,612台、現代が46.5%減の5,749台、シュコダが47.8%減の9,768台、ジープが48.4%減の748台、ボルボが48.8%減の2,840台、セアトが61.1%減の5,494台、ダチアが63.4%減の2,856台だった。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した5月の国内乗用車生産台数は15万1,500台で、前年同月を66%下回った。輸出台数は67%減の10万5,100台。1~5月は生産台数が前年同期比44%減の118万2,200台、輸出台数が43%減の90万4,900台だった。

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