ドイツ連邦統計局のデータをもとに連邦経済省が7日発表した6月の鉱工業生産指数(暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比8.9%増となり、2カ月連続で大幅に拡大した。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行で大幅に鈍化していた経済活動が再び活発化していることが背景にあり、経済省は「5月に始まった生産の回復は6月も継続されている」と指摘した。
部門別では製造業の伸び率が最も大きく、11.1%に達した。ロックダウン(都市封鎖)の影響が特に大きかった投資財は反動で18.3%増加。自動車・自動車部品では54.7%増えた。
中間財は5.0%増となり、4カ月ぶりに拡大。消費財は7.3%増え、2カ月連続で伸びた。
エネルギー業は5.5%増、建設業は1.4%増だった。
4~6月(第2四半期)の鉱工業生産指数は前期比で実質16.1%減少した。4月のロックダウンが響いた格好で、製造業では減少幅が19.3%に達した。
6月の鉱工業生産はコロナ危機前の2019年10~12月(第4四半期)の87%強の水準で、自動車・自動車部品では同およそ80%の水準にとどまっている。経済省は国外を中心に需要が依然として弱含んでいるうえ、新型コロナ流行の先行きを予想しにくいという事情を指摘。経済の回復プロセスは長引くとの見方を示した。