乗用車新車登録の減少幅が大きく縮小、VAT引き下げと補助金増額の効果で

ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した7月の乗用車新車登録台数は前年同月比5.4%減の31万4,938台へと後退したものの、減少幅は前月の32.3%から大幅に縮小し、今年最小を記録した。新型コロナ危機対策として電動車購入補助金が引き上げられたほか、付加価値税(VAT)が7月1日付で引き下げられたことが大きい。マイカーとしての登録は7.1%増えた。社用車は12.5%減。1~7月の新車登録台数は152万5,560台で、前年同期を30.1%下回った。

7月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(EV)は前年同月比181.7%増の1万6,798台と大きく拡大。ハイブリッド車(HV)も143.5%増の5万2,488台と好調だった。HVのうち、EVなどとともに購入補助金の支給対象となるプラグインハイブリッド車(PHV)は484.7%増の1万9,119台と約5倍に拡大した。シェアはEVが5.3%、HVが16.7%、PHVが6.1%となった。

内燃機関車は振るわず、ガソリン車は20.3%、ディーゼル車は18.6%減少した。新車に占める割合はガソリン車が前年同月の58.2%から49.0%、ディーゼル車が同33.0%から28.4%へと落ち込んだ。

新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量(平均値)は前年同月比8.7%減の144.5グラムと大幅に低下した。環境対応車が急増したことが大きい。

車種別でみると、キャンピングカーは94.7%増となり、これまでに引き続き急拡大した。新型コロナウイルスの感染リスクを背景に宿泊施設を避けて旅行することを考える消費者が増えていることが反映された格好だ。このほか、小型車が9.5%、SUVが3.1%、大型車が2.1%増加した。ミニバンと大型バンはそれぞれ49.5%減、39.8%減と振るわなかった。

伸び率が最も大きかったブランドはスバルで、63.9%増の749台を記録した。これにジープ(42.2%増の1,854台)、ミニ(35.7%増の5,892台)、三菱(33.4%増の4,949台)が続いた。

ミニ以外のドイツ車はBMWが17.4%増の2万8,272台、メルセデスが10.7%増の3万4,393台と2ケタ台の伸びを記録。ポルシェも2.4%増の3,143台へと拡大した。そのほかはVWが3.3%減の5万9,714台、アウディが20.8%減の2万2,865台、フォードが22.5%減の2万453台、オペルが45.2%減の1万1,746台、スマートが51.6%減の1,806台だった。

スバル、三菱以外の日本車では日産(21.0%増の3,473台)、レクサス(7.2%増の268台)、トヨタ(1.3%増の7,512台)が前年同月を上回った。ホンダ(9.0%減の1,290台)、マツダ(25.3%減の3,848台)、スズキ(25.9%減の2,135台)は落ち込んだ。

日本車以外の主な輸入ブランドはルノー(29.9%増の1万2,839台)、フィアット(27.1%増の9,798台、双竜(26.4%増の268台)、起亜(23.0%増の7,970台)、シュコダ(8.3%増の2万2,084台)が増加。現代(2.3%減の1万1,060台)、DS(5.2%減の239台)、ボルボ(5.9%減の4,557台)、プジョー(11.5%減の5,523台)、シトロエン(21.0%減の4,516台)、セアト(22.8%減の1万2,262台)、ダチア(32.1%減の5,560台)、アルファロメオ(33.6%減の235台)、ジャガー(38.9%減の470台)、ランドローバー(39.9%減の848台)、テスラ(66.6%減の203台)は減少した。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した7月の国内乗用車生産台数は33万4,000台で、前年同月を6%下回った。輸出台数は15%減の24万2,800台。1~7月は生産台数が前年同期比36%減の182万8,400台、輸出台数が36%減の135万9,900台だった。

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