ドイツ機械工業連盟(VDMA)が8月25日発表した独産業用バルブ業界の1-6月期(上半期)の売上高は前年同期比で9%増加した。長期プロジェクトがけん引車となり国内売上が20%拡大。国外も同3%伸びた。新型コロナ危機で経済が急減速するなか、操業時間を短縮する企業はほとんどなかったという。
分野別ではコントロールバルブが15%増と特に好調だった。安全・監視バルブは10%増、遮断バルブは6%増だった。
産業用バルブの輸出高は約20億ユーロで、前年同期を8.9%下回った。多くの国でロックダウン(都市封鎖)が行われたことが響いた格好で、主要輸出先10カ国のなかで増加したのは、最大の仕向け先である中国(1.3%増の2億6,410万ユーロ)と8位のスイス(8.2%増の7,500万ユーロ)だけだった。2位米国は16.9%減の1億7,960万ユーロへと大きく後退。3位のフランスも10.7%減の1億1,060万ユーロと振るわなかった。
独業界の新規受注はこのところ弱含んでいる。主要な顧客産業である石油、ガス、化学、造船などで大型投資を先送りないし中止する動きが強まっているためだ。VDMA産業用バルブ部会のヴォルフガング・ブルヒャルト部長はこれを踏まえ、7-12月期(下半期)の業界売上は大きく後退するとの見方を示した。2020年全体では横ばいを見込んでいる。