独商工会議所連合会(DIHK)や独雇用者団体連合会(BDA)など経済7団体は7日、共同声明を発表し、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて導入している旅行制限措置の見直しを政府に要請した。経済全般に悪影響が出ているため。事業環境は最悪期の4~5月に比べ改善しているものの、売り上げの大幅減や経営破綻の危機に直面する企業は多いとして、経済へのしわ寄せを最低限にとどめる政策を促した。
声明は、感染テスト戦略や自主隔離規制、新型コロナ危険地域の頻繁な変更、およびEU加盟国によって規制が大きく異なっていることに企業は翻弄されていると指摘。そうした現状の是正を求めている。EUレベルの問題に関しては、加盟国間の政策調整を強化し、域内での出張や被用者の移動に支障が出ないようにすべきだとしている。
コロナ旅行規制の影響は直撃を受ける旅行・航空業界だけでなく、小売や製造、物流など幅広い分野に及んでいる。在外ドイツ商工会議所(AHK)加盟企業へのアンケート調査(7月)によると、旅行制限のしわ寄せを受けているとの回答は63%に上った。国境閉鎖と隔離義務の影響で役員や技術者、販売要員を国外に派遣することが難しくなっているためだ。旅行制限を「最大の問題」とする回答は中国に進出したドイツ企業の84%、日本に進出した独企業の78%を占めた。入国制限などに伴う国際的な見本市の中止は新規受注獲得の大きな障害となっている。