企業景況感5カ月連続で改善、新規感染者増も経済は安定化

Ifo経済研究所が24日発表した9月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は93.4となり、前月から0.9ポイント上昇した。同指数の改善は5カ月連続。現状判断を示す指数と今後6カ月の見通しを示す指数がともに上昇した。クレメンス・フュスト所長は「(新型コロナウイルスの)規感染者数の増加にもかかわらずドイツ経済は安定化している」と述べた。

現状判断指数は1.3ポイント増の89.2となり、4カ月連続で改善。期待指数97.7へと0.5ポイント上昇し、5カ月連続で増加した。

現状を「良い」と判断する企業の割合から「悪い」の割合を引いた数(DI)と、今後6カ月の見通しを「良い」とする割合から「悪い」の割合を引いた数(DI)の中央値は4.1となり、2カ月連続でプラスの領域に入った。最悪期の4月(-37.0)に比べると41.1ポイント上昇している。調査対象4業種のうち製造を除くサービス、流通、建設の3業種がプラスの領域にある。製造も前月のマイナス5.6からマイナス0.2へと上昇し、プラス転換の一歩手前まで改善している。

製造業では現状判断を示すDIがマイナス24.1ポイントからマイナス16.6ポイントへと大きく改善。今後6カ月の見通しを示すDIもプラス14.7ポイントからプラス17.6ポイントへと上昇した。先行き見通しは特に電機業界で明るいという。

製造業の輸出期待指数は約2年ぶりの高水準に

一方、Ifoが25日に発表した独製造業の9月の輸出期待指数(DI)は前月の5.5ポイントから10.4ポイントへと上昇し、2018年10月以来およそ2年ぶりの高水準に達した。プラスの領域に入るのは3カ月連続。最悪だった4月からの改善幅は60.0ポイントに達する。フュスト所長は「主要な販売先国の製造業生産の拡大がドイツの輸出産業の追い風になっている」と述べた。

Ifoは月例の企業景況感指数調査の一環でメーカー約2,300社を対象に今後3カ月の輸出見通しを質問。メーカーは「増加する」「横ばい」「減少する」のなかから1つを選んで回答する。「増加」回答の割合から「減少」回答の割合を引いた数が輸出期待指数となる。

9月は化学と電機の2業界で輸出増を見込む企業が特に多かった。自動車でも見通しの改善が進んでいる。機械では慎重な見方が強い。衣料品・革製品・靴業界は大幅減を見込んでいる。

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