ボルボの電動パワートレイン搭載の消防車両、試験運用が開始

スウェーデン商用車大手のボルボグループは9月24日、傘下のエンジンメーカー、ボルボ・ペンタの電動パワートレインを搭載した電気消防車3台の試験運用を、ベルリン、アムステルダム、ドバイの消防当局と協力して開始したと発表した。同電動パワートレインは消防車両・設備の世界大手ローゼンバウアー(オーストリア)の最新モデル「レボリューショナリー・テクノロジー」(RT)向けに開発したもので、消防車のゼロエミッションと低騒音化の実現に貢献すると期待される。

RTは前後の車軸に電気モーターを配置し、システム総出力で360kWを引き出す。エネルギー貯蔵システムに加えバックアップ用のディーゼルエンジンを搭載し、長時間の走行と現場の消防ポンプ稼働を可能にしている。従来の消防車両に比べて操作性に優れるほか、最大積載量の拡大と車体のコンパクト化も実現した。足回りには独立式サスペンションとハイドロニューマティック(エアスプリング・油圧シリンダー)のシャーシシステムを採用し、走行性能を向上させている。

ボルボ・ペンタの電動パワートレインはモジュラー式で、車両の用途に応じて駆動システムを柔軟に設計できるメリットがある。ボルボグループが持つ電気自動車(EV)の広範なノウハウと組み合わせることで、高い信頼性や環境への配慮などの要件を満たした車両開発が可能になった。

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