独ティッセンクルップ、産業設備部門で800人削減

独複合企業のティッセンクルップは9月29日、自動車の製造設備を生産しているシステムエンジニアリング部門の組織再編について発表した。これに伴い、対象となる部門の各拠点ではリストラを実施。10月1日から始まる新事業年度内に従業員約800人を削減する。うち、ドイツの拠点では約500人が影響を受ける。今回の措置は、5月に発表した事業再編計画の一環に位置づけられる。

今回の組織再編では、システムエンジニアリング部門を車体製造設備と駆動装置製造設備の2部門に分離する。車体組み立て用の製造設備を生産する部門は引き続き、自動車部品・サービス部門であるオートモーティブ・テクノロジーの傘下に置く。駆動装置とバッテリーの組み立て設備を生産する部門は、ポートフォリオ部門(マルチ・トラックス)の傘下に入り、将来的に、提携・売却の可能性を模索する。

自動車の製造設備事業は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、大幅な受注減少と減収に見舞われている。同社では、自動車生産がコロナ危機前の水準に回復するには少なくとも2~3年かかると見込んでいる。

システムエンジニアリング部門は現在、ドイツに9カ所の開発・生産拠点を持ち、従業員約3,200人を抱えている。

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