欧州自動車工業会(ACEA)が16日に発表したEU(マルタを除く26カ国)の9月の新車販売(登録)台数は93万3,987台となり、前年同月から3.1%増加した。増加は今年に入って初めて。ただ、域内では新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、回復が続くか不透明な情勢だ。(表参照)
販売増加は最大の市場であるドイツで、環境対応車購入への助成拡大を追い風に、8.4%増えたことなどが要因。イタリアも9.5%増加した。一方、フランスは3.0%減、スペインは13.5%減と低迷が続いている。
欧米の主要メーカーでは、最大手のフォルクスワーゲン(VW)が9.0%増となったほか、ルノー、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が増えた。
日本勢はトヨタが10.2%、日産が7.9%、ホンダが0.3%の幅で伸びたが、マツダは25.7%減、三菱は26.8%減だった。
EU26カ国に英国、アイスランド、ノルウェー、スイスを加えた欧州30カ国ベースの販売台数は1.1%増の130万48台。英国は4.4%減の32万8,041台だった。
EUの新車販売は1月、一部の国で自動車が増税となったことで、5カ月ぶりに低迷。さらに、3月からコロナ禍の影響で急減し、4月の下げ幅は過去最悪の76%に達していた。
新型コロナウイルス感染防止のため実施されていた自動車販売店の営業制限が緩和されたことで5月以降は下げ幅が縮小しており、9月になってプラスに転じた。
しかし、EUでは新型コロナ感染者が再び急増しており、このところフランス、ドイツ、イタリア、スペインが外出規制などを強化している。このため、新車販売が再び冷え込む恐れがある。