フェーマルントンネル建設へ、独裁判所がゴーサイン

独連邦行政裁判所は3日、ドイツのフェーマルン島とデンマークのロラン島を結ぶトンネルの建設計画の差し止めを求めていた環境保護団体などの訴えを棄却する判決を下した。デンマーク領内ではすでに建設に向けて動き出している。ドイツ領内の建設に今回、ゴーサインが出たことから、フェーマルン海峡横断プロジェクトは実現が確実となった。

フェーマルン海峡横断プロジェクトは、フェーマルン島のプットガルデンとロラン島のレズビュを結ぶ全長18キロメートルの道路を建設するというもので、ドイツとデンマークは2007年に合意。翌08年に条約を締結し、09年には両国が条約を批准した。

当初は橋を架ける予定だったが、船舶の交通量が多い同海域に橋ができると大型船の通行に制限が出るほか、船舶が橋に衝突する事故が起こる恐れもあることからトンネル方式へと変更された。

これに対し環境保護団体は生態系への影響を理由に反対。海運会社もフェリーの運航停止による雇用喪失などを理由に差し止めを求めてきた。

これらの訴えを独連邦行政裁が退けたことから、ドイツ側でも建設に向けた動きが始まる。開通は当初計画から10年以上遅れ2029年となる見通しだ。投資総額は100億ユーロを超えるとみられている。

トンネルが開通すると、トラック、乗用車、列車はドイツからコペンハーゲンまで直行できるようになり、北欧と中欧を結ぶ交通の便が改善する。

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