仏ルノーが「トルネード」実証事業を終了、人の少ない地域の自律型輸送サービスを実験

仏自動車大手のルノーは5日、人口の少ない地域における自律型輸送サービスの実証事業「トルネード(Tornado)プロジェクト」の終了を発表した。2017年9月に開始した同事業は、モビリティサービスが十分に行き届かない都市郊外や農村地域において、自動運転車の導入に必要なインフラニーズの把握と、対象地域の利用者ニーズを把握することを目的に実施された。ルノーと、実施地域であるパリ西郊ランブイエの自治体が共同で主導し、10の産官学パートナーが参加した。

実証事業では、自動運転が可能な電気駆動車によるモビリティサービスの運用を通じ、自動運転ソリューションと、必要な通信インフラおよび技術を開発した。具体的には、ランブイエの鉄道駅とビジネスパークを結ぶ約13キロメートルの区間を電気自動車(EV)「ゾエ」で自律的に運行させたほか、最大10人が乗れるシャトルバスをビジネスパーク内で運行した。

農村や郊外は都市部とは異なり、狭い道路やラウンドアバウト、少ない標識、1車線のトンネルといった特有の道路環境がある。これに対応するため、同事業では自動運転車の検知能力を強化し、全周囲の対象物の種類や大きさ、車との距離をリアルタイムで測定できるようにした。また、狭い道路を通行できるよう、20センチメートルの精度で車両制御した。「ゾエ」は自動運転モードで最高時速70kmで走行した。

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