10月インフレ率、横ばいの-0.2%に

ドイツ連邦統計局が12日発表した10月の消費者物価指数(確定値)は前年同月比で0.2%低下し、インフレ率は前月と同じ低水準となった。物価の下落は2カ月連続。新型コロナ危機対策の一環で付加価値税(VAT)が7月1日から引き下げられたことがこれまでに引き続き大きな押し下げ要因となった。

物価の足を強く引っ張った項目はエネルギーで、6.8%低下した。暖房用灯油が37.2%減、自動車燃料が10.7%減と石油製品で下落幅が大きい。天然ガスは1.5%減、電力は1.9%増。エネルギーを除いたインフレ率は0.6%だった。

食料品は1.4%上昇し、上げ幅は前月の0.6%から拡大した。食肉・肉製品が4.1%、果物が3.8%アップ。野菜は前月のマイナス5.2%からプラス1.5%へと上昇に転じた。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は前月と同じ0.5%だった。

エネルギー、食料品以外の物品をみると、たばこは5.4%上昇。電話機は6.7%、情報機器は5.3%、娯楽家電は5.0%、衣料品・靴は1.8%低下した。

消費者物価に占める比重が53%に上るサービスは1.0%増となり、上げ幅はインフレ率を大きく上回った。宝くじは上げ幅が13.7%、金融サービスは同6.4%、在宅介護は6.6%に上った。長距離鉄道料金はVATが年初と7月にそれぞれ引き下げられ前年同月の19%から5%へと低下したことから、下げ幅が17.1%に達した。このほか、コロナ感染リスクを背景にパック旅行が6.0%下落している。

消費者物価は前月比では0.1%上昇した。エネルギーが0.2%、食料品が0.4%上昇。野菜は3.1%高くなった。歯科治療は義歯治療の健保負担が拡大したことから5.0%低下した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比がマイナス0.5%、前月比が横ばいだった。

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